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過去記事置き場

車が売れないのは誰のせい?

自動車が売れない。世間では金がないと云っている。
金があっても日本じゃ売れないだろう僕は思う。

自動車メーカーは作って、売ることばかりに集中して、自動車文化なるものを醸成することをほったらかしていた。車に乗ることの意義や楽しみ、そして車仲間からなるコミュニティの育成など、とても手間はかかるし、数値上の効果は判りにくい、そういったことに対してあまりにも力を入れてこなかった。

文化が育たず、歴史が生まれず、物語を語り継ぐようなコミュニティがない状態では、車はただの乗り物であり、消費物に過ぎない。しかもとても高価な消費物だ。だったら始めから使わない、というのが現代の賢い選択である。

そう、賢い人間こそが車を避けてしまう現状を変えないといけないのだ。

ディーラーなんか、カフェにでもしてしまえばいい。車の持ち主同士のコミュニティをそこで育てるのだ。
高い車を買った客には、自前のサーキットへの招待券でも送って、思いっきり車をぶん回す機会を与えてやるのはどうだろう。その際に、プロメカニックによる点検のサービス付けたりなんかして。
大事なのは、ただの乗り物以上の価値があることを、メーカーは顧客に伝えないといけないということ。 

価値の醸成を怠ったのが最大の原因だろう。
これは車ばかりの問題ではない。 売れない今の状況を、政府や世界経済にばかり求めている経団連の方々が自覚することがあるのだろうか。

今の日本の閉塞感は、完全に90年代に逆戻りしたように思えてならない。

(旧ブログより転載)