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過去記事置き場

ヒッタイト帝国についての備忘録

ヒストリーチャンネルでやっていたヒッタイト帝国のお話。
ヒッタイトと云えば鉄器ですが、内政面もかなり優秀な国家だったようだ。
以下、今回の番組で知った知識メモ。

征服した民族の神に対して寛容だった

神仏習合のように、他国の神を自国の神々の仲間に加えていった。
「千の神の国」と呼ばれていたらしい。

先進的な法制度

ハンムラビ法典のような処罰を原則とした復讐法ではなく、賠償を基本としていた。
例えば、隣の家を焼いてしまったとかそういうときに、復讐法ならば焼いた人間そのものか、もしくはその財産を奪ってしまうが、ヒッタイトでは焼いた家の賠償を行なうだけで済んだ。

外交重視のスタンス

鉄器と持った優れた軍隊を保有していたが、可能な限り外交での解決を行なっていた。
相手国との不和やもしくは他地域への進出の際には、まず外交ルートから解決を図っていた。
世界で始めて成文化された条約を結んだのものヒッタイトとエジプトであった。

崩壊は異例を前例としたときに起こった

ラムセス二世に勝利したハットゥシャは、王ではなかったが、使命感が強過ぎるあまり、現王を殺し、自らが王となった。
有能な人物だったため、ヒッタイトは黄金期を迎えたが、王権を簒奪するという前例を自らが作ってしまったがために、彼の死後内乱が続き、百年も経たぬうちにヒッタイトは崩壊した。

ヒッタイトの末裔はカナンの地に住んでいた

ヒッタイト人の信仰の証であった獅子の像が、ほぼ同じようなデザインでカナンの地に残っている。
カナンの地と云えばイスラエルユダヤの約束の地である。

聖書にはヒッタイト人は野蛮な侵略者と書かれているそうだが、実際はもっと理性的な民だったようである。

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(旧ブログからの転載)