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『パブリックエネミーズ』マン監督作品最新作を観る

当たり外れが多い、てか外れが多い「マイケル・マン監督作品」。
 
マイケル・マンは中途半端だといつも思う。
俳優の演技を観ていると、現場の演出はすばらしいものがあるのだろうことは予測できるが、肝心の映像としての演出においてアイデアが不足しているのか、音楽を使った安易な間の埋め合わせが多い。
ジャン・ピエール・メルヴィルの作品っぽくも感じるけれど、メルヴィル作品のような澄んだ冷たい空気感というものがあるわけでもない。

撮影手法も、対象人物をベタッとしたアップで撮り続けるのは、トニー・スコットっぽくもあるが、間違いなくトニー・スコットの方が演出や編集において一枚も二枚も上手である。

脚本もいまいちだったし、要するにいつものマイケル・マンなんだ。
DVDでも十分と云えばそうなんだけど、かといってそもそも観る価値あるのかと云ったら僕は唸ってしまうね。
数式にすると
1800円>劇場>DVD
といった感じだろうかな。

一番の問題は観客に何を伝えたかったのかがよくわからないということだ。感じるところの少ない映画。脚本の段階で練り込みが足らない。いい加減マン自身に脚本を書かせるのは止めさせた方がいいと思う今日この頃です。 

ついでに「パブリックエネミー」とは主人公ジョン・デリンジャーのニックネームである。