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『ヒストリー・オブ・バイオレンス』

ヒストリー・オブ・バイオレンス(廉価版)【期間限定出荷】 [DVD]ヒストリー・オブ・バイオレンス(廉価版)【期間限定出荷】 [DVD]
出演:ヴィゴ・モーテンセン
販売元:NIKKATSU CORPORATION(NK)(D)
(2008-11-14)
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むかしこの映画の評を書いた気がしたが、今や消滅してしまったブログの方だったのか、このブログから検索しても見つからなかった。
映画のレンタルにはTSUTAYAディスカスを長い間使っているが、借りた履歴としては2回目だったと思う。1回目も「良かった」という感想をブログに残したと記憶している。

誰にでも歴史はある。
生まれた瞬間ですら、血筋という歴史から逃れられない。
ヴィゴ・モーテンセン演じるトム・ストールという田舎町のレストラン店主の過去。
それが彼と彼の家族に背負わせるもの。
ラストシーンの無言の家族の食卓が何を物語るのか。

この話に共感できる人間なんてほとんど居ないだろう。
特殊な人間、特殊な境遇。

しかし、個人としてではなく、種や文明としての見方もあると思った。
例えば現代の戦争を知らない僕らも、劇中の主人公や家族と同じ運命を背負っている。
かつてこの国は帝国の時代を息抜き、そして敗れた。
暴力の歴史を私たちは背負っている。

トムのように過去を殺し、忘れたフリをすることもできるだろう。
しかしその歴史は暴力を伴うものであればこそ、受けた方は決して忘れない。

トムは劇中で「どうすれば償えるのか」と聞く。
その答えは「死」だ。

結末がどうなるかはここには書かないが、暴力に基づく過去を築いてしまった以上、償えないものなのかもしれない。 
それはもはや歴史となり、背負い続けるしかないのだ。
暴力を行使した当人も。その血筋を受け継いだ子供たちも。

クローネンバーグはこの作品からヴィゴ・モーテンセンと組み、『イースタン・プロミス』と『危険なメソッド』という映画を撮る。
前者も良作、『ヒストリー・オブ・バイオレンス』と並んでクローネンバーグの集大成なのではないかと思える出来である。
後者は観なくてよい。

なんだかんだでこの人の映画はよく見ている。
イースタン・プロミス』と『デッドゾーン』もいつかレビューを書いてみたいと思う。 

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