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過去記事置き場

文章が上達しないと思ったけれど

最近よくわからないブログを書いていて、上達しないなと思った。
そりゃそうだ。漠然と書いてるだけで上達するわけない。
自分で書いておいて、自分で読みたいと思えない文章だったし、そんなものを他人に読んでほしいとも思えなかったので、一体何がしたかったのかさっぱりなんだけど、 それでも書いてみて思ったことがある。
誰かが良かったからといって、その人の文章が自分にとって良いわけではないということ。

一体誰を想定して書いたのかというと、具体的に誰というわけではなくて、なんというか立派な自分みたいな幻影を見ながら書いていた気がする。もちろんそんな奴は文字通りの幻で、実際に書かれていることも、そのために書きだされた文体も霧のように儚い価値しかない。

文章は出来る限り誠実でなければいけない。
それはつまり、自分自身に対して。

今日は映画のことを書いて、それを自由に書いてみて、少しすっきりした気分だ。
自分には自分なりのしっくりする書き方があって、それが一般的な文法とか読みやすさなどと離れていても気にするべきではない。少なくともビジネスとは関係のないブログにとっては。

いや、たとえビジネス文章であっても、初稿はこんな書き方でも良いのだと思う。
何より、書くことは思考することだ。それが、他人の文体で書いて、思考する時点で躓いてては、最終的に出来上がる文章もロクなものにならないに違いない。

そう考えると文体とは、言語みたいだ。
慣れている日本語ではすらすらと言葉が出てくるから、それにつられて思考も活発化する。
それが慣れていない言語では、まず正しい文法はなんだっけ?単語はなんだっけ?というところに頭がいってしまうから、考えることに頭が割けない(人によっては簡単に流れ出ない方が都合が良い、などと云う人も居るのだろうけれど)。 

「自分なりの文章を」と思ったのは、つまらない記事を書いてしまった後、そのダメさ加減に悩み、気分転換として村上春樹の『雑文集』を読んだからだ。 
これは面白かったし、もっと自然に書こうと、不思議と思えた。
そして、こういうスラスラ読めるものが書けたらいい、とも思った。

ブログの文章に悩んだのなら、小説よりもエッセイを読もう。
面白いエッセイは色々あるが、村上春樹のエッセイはおすすめだ。面白いから。

村上春樹 雑文集村上春樹 雑文集 [単行本]
著者:村上 春樹
出版:新潮社
(2011-01-31)