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『思考の整理学』味のある文章だったでござる

思考の整理学 (ちくま文庫)思考の整理学 (ちくま文庫)
著者:外山 滋比古
販売元:筑摩書房
発売日:1986-04-24
おすすめ度:4.5
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書店で、積まれていたから新しい本かと思っていたけど違ったんですね。
文章はなんとなく内田百間的な香りがして、僕は好き。
ただ速読対象の本ではない。
ビジネス書ではない。
語り手に耳を傾ける、そんな本。

個人的に記憶に残っているのが「思いついたアイデアは軽く他人に話してはいけない」というもの。
なぜかというと、
  • 練られていないアイデアはいざ話そうとするとうまく伝えられない
  • うまく伝わらないアイデアは相手を感心させられない
  • 結果的にネガティブな反応が得られ易い
  • そうなるとアイデアの芽が消えてしまう
  • また、うまく話せても、話したことで欲求が解消されて、その先を考え抜かなくなる

故に思い浮かんだアイデアは自分の中でじっくり練り込み熟成するまで易々と他人に話さない方がいいのだそうだ。
僕は結構この論に「なるほど」と思った。
他人にアイデアが盗られるとか、そういう心配は毛のほどもしていないのだけど、ただせっかく思い浮かんだ、これはイける!ってアイデアの反応が薄いとやる気はなくなってしまう。
これもひとつのライフハックなのだろうと思った。

全体的にはおすすめ出来る本だが、前述の通りビジネス書ではなく、おじいさんが語ってる雰囲気なので、他人の話を長々と聴けない人は既に読んだ人から要約を聞くとかした方が効率的だろう。