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過去記事置き場

学習したことを忘れても嘆く必要はない

サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書)
』という本を読んだ。
この本の中にとても興味深いことが書いてあった。
一度学習したことは、忘れても意味があると。

Aという課題があったとしよう。
その課題Aについて、
  • 一度学習したのち忘れてしまった人
  • 一度も学習したことのない人
が居たとする。

この二人を再度、課題Aに取り組ませるとどうなるか。
当人たちの認識では、二人ともまったく同じ条件として、初めての課題に見えている。
であるならば差が出ることは無いだろう、と予測していた。
ところがいざ実験してみると、すでに学習経験のあった人は一度も学習していない人に比べて、学習効率が高かったのである。

一度学習すると、いわば獣道のような回路が形成されるということだ。
何もないように見えても、道筋は残るのである。

つまり、諸君。
忘れてしまうような学習にも意味があるのだ。
全ての物事を覚えておく必要はない。
強迫的に記憶する必要はない。

だから忘れることを恐れず、日々勉学に励むことこそ重要なのである。
「忘れてしまうから意味がない」なんて、言うもんじゃないよ。