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Webアプリ開発でも役に立つ - iPhoneアプリ設計の極意

iPhoneアプリ設計の極意 ―思わずタップしたくなるアプリのデザイン
iPhoneアプリ設計の極意 ―思わずタップしたくなるアプリのデザイン
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タイトルはiPhoneアプリだけども、ユースケースの考え方やUIの基本パターンなどスマートフォンに共通する話題も多く、iPhoneアプリ開発だけでなくAndroidやWebアプリ開発でも多いに力を発揮しそうな本。

この書籍を読んで、改めてiPhoneはモバイルなんだと認識する。
当たり前じゃんって思うかもしれないけれど、作っている人はみなオフィスの机にかじりついてる人なんだよね。
だからユースケースも、デザインもすべて両手で、かつ静止状態で操作することを暗黙の前提にしていることが多い。

実際のところモバイルというのは以下の状態が頻繁に起きる。
  • 両手が使えない
  • 身動きの自由が利かない(混雑状態の電車など)
  • 移動しながらの操作
  • 常に画面がぶれている(歩きながらなら尚更)
  • 当然、画面を見つめ続けることが出来ない状態もある

上記のような状態を想定せずに作ると、ユーザーから見放される。
片手しか使えない多忙なサラリーマン向けのアプリなのにピンチの動作が必要とか、そういうことを平気で設計してしまったりすると目もあてられないだろう。 

書籍の最後には日本語版限定の深津貴之氏による架空のアプリ設計のレクチャーがある。
ユースケースの立て方からアプリの構造設計、さらに紙の上でのプロトタイプ構築まで、コードを書く前における作り方を、深津氏の思考をトレースしながら学べる。
これはすごく参考になる。

スマートフォン向けアプリだけでなく、サービスやサイトをこれから作るという人にもとても役に立つだろう。
単なるハウツーではなく、どう考え、組み立てるかを学べるお勧めの一冊。