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過去記事置き場

松岡正剛の真似をしてたら体調崩しそう

もちろん、悪いのは僕です。

多読術 (ちくまプリマー新書)
多読術 (ちくまプリマー新書)
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松岡正剛は夜中の3時まではほとんど起きてる、という話をこの本で知り、よっしゃ俺も本気出すかと、ブログとか書いたり、仕事の資料をまとめたりしてたら、空腹とディスプレイを凝視していたせいで気持ち悪くなりました。正剛さんも執筆したり、本を読んだりであまり環境は違わないと思うけど、凄い体力ですねって伝えたい。

 この『多読術』を買ったいきさつは、今まさに私の状況が積ん読タワーに囲まれていまして、これをとっとと処理したいという思いから購入しました。
どういう効率的な読書してんのかなと。
そしたらそういう話はほとんどない。

ハウツーではない。
松岡正剛のノウハウも、どこかで聞いたような当たり前の読書術だ。
付箋を使うとか、直接本にメモしてしまうとか、そんな話である。

そんな感じで、特に知りたいことを見つけられないまま読み進めていると、別の箇所が浮かびあがり、強い印象を残す。
それは、読書とはその読む行為のコンテキストが大きな影響を与える、という部分である。

実際に読む文章は同じなのだから受け取る印象はどこで読んでも同じである、というのは思い込み。
騒々しい電車の中で読むのと家の静かなソファで読むのとでは、同じ本でも受け取る印象が変わる。
また、同じ場所でもパジャマで読むのと正装で読むのとでも違ってしまう。
自分自身の気分や体調、さらには周りの状況で読書によってもたらされる体験は変化する。

だからこそ2度読む。
なるほど。これは正しい行為だと思った。

しかし不思議なのはあれだけの本を一体2度も読む暇があるのかということ。
正剛さんはそこのために3時過ぎまで起きてるんだろうなあ、と思うとやっぱり何かに取り憑かれてるんじゃないかと思わずには居られない。

そういや自分も、映画製作を目指していた頃は、4時まで起きて本を読むか映画を観ていた。
夢中の力がそこにはあった。

より多く本を読むにもモチベーションというものが関わってくるが、それだけでなく状況、環境、そういったコンテキストの重要さを気付かせてくれた。

と満足したところで積ん読タワーを眺めては嘆息する。
結論としては「ハウツー本を探してる暇があったら地道に読書を続けろ」ということなのだろう。

読書に王道はないのかもしれない。