やりがいのない仕事は成果を出すチャンス
超思考
著者:北野 武
販売元:幻冬舎
(2011-02)
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たけしの本を読んだ。
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たけしの本を読んだ。
この人は迎合しない。
だから面白い。
第六考の「夢を売るバカ、探すバカ」の章に仕事観について語っているが、よく本屋に売られている自己啓発的な話ばかり読んでいると、こういう別視点の解があることを忘れてしまうだろう。
面白いから引用する。
眠っている才能なんてない。才能はあるかないかのどっちかだ。自分が本当にやりたい仕事はなんだろうなんて、考えなきゃいけないってことは、やりたい仕事がないというだけのこと。
自分に合った仕事を探すという考え方がそもそもの間違いだ。そんなものはない。お腹の中の赤ん坊が、「自分に合った世界に生まれたい」なんて考え始めたら、この世に生まれてこられるわけがない。仕事を探すのだって同じ。仕事を自分に合わせるのではなく、自分を仕事に合わせるのだ。
自分探しに奔走する者からすれば、目の醒める警句に聞こえるのだろう。
才能とは何かを常々考えているけれど、この人の視点は「あるかないか」。
「眠っている才能」を掘り起こせばきっと自己実現できる、などというのは古典的な詐欺師の口上だそうだ。
気が進まないくらいの方が、いろんなことがよく見える。どんな仕事にだって、誰にも気付かない盲点というものがあるのだが、そういうものに気づくのは、好きでたまらない人間よりも、むしろちょっと引いたところから眺めている部外者だ。
もし今の自分の仕事にやりがいを感じないとしたら、それは不幸なことではなくて、むしろチャンスなのだ。自分はこの仕事を冷静に見る目を持っていると思えばいい。冷静に考えれば、どんな仕事であろうとも、今よりは面白くできる。
たいてい、自分よりも情熱的な人間は職場にいるものだ。
仕事だけでなく趣味やなんや、何にだっているもの。
自分が冷めているからといって、その人より劣っている訳ではない。
視点を変えれば、いつでも冷静に物事を見つめられるということ。
かっこ良く言えば「クール」や「ビジネスライク」とおいうことではないだろうか。
武の発言は、厳しい。
けれど、迎合しない厳しさは清々しいものだ。
テレビでは、どんな発言も編集されてしまうから、こうして本音のような発言(当人は本音なんて無いと本書で語っているが)を十分に聞けることは1ファンとしてうれしい。